実家で飼っていた初代のゴールデンレトリーバーは、繁殖用に育てられた子で、たくさん子供を産んだ後、ブリーダーが倒産して飼育放棄されていたところを保護団体に引き取られ、さらにそこを父が突然貰ってきた子だった。
保護団体でティアラという名前が付けられていた。名前に負けないキラキラした毛並みの可愛い子だった。
そういう経緯なので結構年齢も重ねていて、一緒に過ごした時間は長くなかった。歳をとり、元気がなくなっていって、だんだん寝てばっかりになっていた時、リビングでホットプレートでホットケーキを焼いていたら、ティアラがピョコー!と起き上がって、パクー!とホットケーキを食べたことがあった。
もうすぐ死ぬかもなあという暗い雰囲気だった家がパッと明るくなって、おお!ホットケーキ好きやもんなぁ!とみんなで笑った。
その後しばらくして亡くなったけど、今でも我が家では「ティアラのホットケーキ」は何度も話されている。
今日無性に食べたくなってホットケーキを作ったら猫が寄ってきた。今、近くにティアラも来てるかもなと思った。